2024/09/30
10万円を借りるにはどうすればよいか|方法や注意点について解説
執筆者:滝口誠(たきぐちまこと)

急な出費などで10万円が必要になったとき、貯えがなければお金を借りる方法を考えるでしょう。
どこでお金を借りられるのか、借りる際の手続きや注意点、どんなに困っていても利用してはいけない手段などについて解説します。
■審査なしで10万円を借りる方法
一般的には、銀行や消費者金融など金融機関でお金を借りる際は、審査を受けることになります。審査に通らなければ、お金を借りることはできません。
しかし、審査を受けずにお金を借りる方法もあります。まずは審査なしで10万円を借りる方法について見ていきます。
●生命保険の解約返戻金を利用する
解約返戻金がある生命保険を契約している場合、その解約返戻金からお金を借りることができます。
契約者貸付制度と呼ばれるもので、借入限度額は解約返戻金の約7~8割です。例えば解約返戻金が15万円あれば、10万円程度は借りられます。
保険を解約することなくお金を借りられますし、カードローンのように毎月決まった日に決まった額を返済する必要はなく、好きなタイミングで返済できます。
ただし、借りている期間は利息が発生します。そのため、いつまでも返済しないでいると利息が増えて、場合によっては借入額が解約返戻金額を超えてしまい、保険そのものが解約されてしまう可能性があるので注意してください。
また、この制度を利用している間に病気やケガなどの保険金を受取るような事象が発生した場合、保険金と借入額が相殺される点にも注意しましょう。
●貴金属や高価な物品を質屋で担保にする
高価な貴金属や時計、ブランド品などがあるなら、質屋でそれを預けることでお金を借りることが可能です。
預けた品物の買取額の7~8割の金額を貸してくれるので、15万円程度の査定額が見込める物品があれば、その場で10万円程度を借りられます。
期日までに利息を含めて返済すれば、預けた物品は手元に戻ってきます。「手放したくないが一時的にお金を借りたい」という場合は、質屋を利用するとよいでしょう。
ただし、期日までに返済できないと自動的に質流れとなり、預けた物品は原則返却されなくなるので注意してください。
●クレジットカードのキャッシング枠を利用する
クレジットカードにキャッシング枠がある場合は、その枠内でお金を借りることができます。キャッシング枠が付帯されているということは、すでに審査を通過しているので、改めて審査を受ける必要はありません。
キャッシング枠があるかどうかは、クレジットカード会社のホームページや専用アプリなどで確認できます。
●銀行の自動貸付を活用する
自動貸付機能がついている総合口座で定期預金を行っている場合は、自動貸付サービスを利用してお金を借りることができます。
総合口座は、普通預金や積立預金などをまとめて管理できる口座です。定期預金や積立預金などを担保にして、普通預金の残高が不足したときに不足額を自動で借りることができます。
返済は普通預金に入金するだけです。利息はかかりますが、預金の合計額の7~8割程度まで借りられます。
●従業員貸付制度を利用する
勤務先に従業員貸付制度があれば、会社からお金を借りることもできます。
従業員貸付制度は福利厚生の一環として大企業を中心に導入されていて、最近ではこの制度を設けている中小企業も増えています。勤務先に従業員貸付制度がないか、一度確認してみるとよいでしょう。
■公的融資制度を利用して10万円を借りる方法
公的融資制度を利用してお金を借りる方法もあります。表にまとめたので参考にしてください。
これらの制度は申込条件を満たす必要がありますが、条件に該当する場合は有効な選択肢といえます。申請方法や詳細は、それぞれの申込先で確認してください。
制度名 | 概要 | 申込先 |
---|---|---|
教育支援資金 |
低所得世帯の子どもが高校や大学に通うために必要な資金を無利子で融資。保証人がいない場合でも利用可能。 |
市区町村の社会福祉協議会または民生委員 |
求職者支援資金融資 |
雇用保険が受給できない求職者に対し、ハローワークの支援指示によって公的職業訓練を受ける際、より訓練を受けやすくするための給付金制度。 |
ハローワーク |
緊急小口資金 |
一時的に生活維持が困難な場合に少額費用を借りられる。最大で10万円、申請から5日程度で受取可能。 |
市区町村の社会福祉協議会 |
生活福祉資金貸付制度 |
経済的に困窮する人を対象に、都道府県社会福祉協議会が低い金利でお金を貸し付ける。生活支援費や住居入居費など、用途別に融資額が決まっている。 |
市町村の社会福祉協議会 |
臨時特例つなぎ資金貸付制度 |
生活費などの支払いに困った場合に、一定期間無利子または低金利で資金を貸し付ける制度。特に失業や収入減少による一時的な困窮を支援する。 |
市町村の社会福祉協議会 |
母子父子寡婦福祉資金貸付制度 |
母子家庭や父子家庭、寡婦に対して、生活支援や教育費用のために低金利または無利子で資金を貸し付ける制度。 |
地方公共団体の福祉担当窓口 |
■カードローンで10万円を借りる方法
審査を受けることを前提にお金を借りるなら選択肢はぐっと広がります。ここからはカードローンで10万円を借りる方法を紹介します。
●大手の消費者金融は即日融資が可能
消費者金融のカードローンは、ご利用限度額内で自由にお金を借りることができます。最短数分で審査が終わる場合もあり、即日融資にも対応しています。
銀行のカードローンに比べて金利は高めに設定されていることが多いものの、返済方法の選択肢が多く、無利息期間サービスや借入れ・返済で貯まるやポイントなどもあるため、利便性の高い、お金を借りる方法といえます。
●信販会社のカードローン
信販会社が提供するカードローンは、比較的低額からの借入れが可能で契約者の信用度に応じてご利用限度額が設定されます。
銀行に比べて金利は高めですが審査は早く、最短即日融資に対応したカードローンもあります。信販会社はカードローンだけでなくクレジットカードやリボ払いなど多様な金融サービスを提供しており、利用者は一括で管理することも可能です。
●低金利の銀行カードローン
数あるカードローン商品の中でも、比較的低い金利で借りられるのが銀行カードローンです。銀行は信用力を重視する傾向があるため、審査に時間がかかる場合もありますが、最近では即日融資に対応する銀行カードローンもあります。
審査結果によってはご利用限度額が高めに設定される場合もあり、長期的な利用に適しています。銀行口座と連携すると借入れや返済をスムーズに行うことができ、銀行ならではの安心感と高いサポート体制も魅力です。
●中小消費者金融は柔軟な対応も
中小消費者金融のカードローンは大手と比べると金利が高くなる傾向にありますが、地域密着型のサービスを提供している場合もあり、対応が柔軟で個別相談にも応じてくれることもあります。
■審査のために抑えたいポイント
カードローンの審査では、信用情報や収入状況が重視されます。審査基準を理解し、適切な準備を行うことで、審査通過の可能性を高めることができます。
●必要な書類と条件をしっかりとチェック
審査を通過するには、必要な書類と条件をしっかりと確認することが大切です。カードローンの審査では、運転免許証やパスポートなどの本人確認書類、場合によっては収入証明書の提出も求められます。
また、申込条件も事前に確認しておきましょう。多くの場合、20歳以上で安定した収入があることが基本条件となっています。金融機関によって、細かい基準が異なることもあります。
条件を満たしていない場合は審査に通過できない可能性があるため、検討しているカードローンの詳細をよく確認しておきましょう。
●複数社への短期間の申込みを避ける
短期間に複数社へのカードローンの申込みは避けましょう。申込履歴は、信用情報機関に記録され、金融機関は審査の際にその履歴を確認します。
短期間に複数社へ申込んでいると「お金に困っている」「返済能力に不安がある」といったネガティブな印象を与え、審査で不利になることがあります。これは「申込みブラック」と呼ばれることもあり、審査に落ちるリスクが高まります。
●正確な申告
申込時に申告する情報は、正確かつ最新のものを提供しましょう。不正確・虚偽の申告は審査の過程で発覚することが多く、それは審査で不利になり、信用情報にも悪影響を及ぼすことがあります。
特に、収入や勤務先が変わった場合は正しく申告することが大切です。情報を誠実に提供する姿勢が、審査に通るための基本です。
■利用を避けるべき手段
ここからは、利用を避けるべきリスクの高い手段について解説します。
闇金融 |
法外な金利で返済不能に陥るリスクが高い。 |
---|---|
クレジットカードの現金化 |
カード会社との契約違反で、後にカード利用停止や多額の返済義務を負うリスクがある。 |
上記手段は大きなリスクがあるため、「審査なし」「ブラックでも融資可能」といった言葉を安易に信用せず、決して手を出さないようにしてください。
■できるだけ早く10万円を借りるなら
「できるだけ早く10万円を借りたい」という場合に役立つ、審査が迅速で即日融資が可能なサービスの手続きのポイントや注意点を解説します。
●消費者金融のカードローン
早く10万円を借りたいなら、消費者金融のカードローンが適しています。多くの消費者金融では、Webで24時間365日いつでも申込むことができ、最短数分で審査が完了します。
特に、大手の消費者金融は即日融資に強みがあり、審査もスムーズです。多くの場合、審査に必要な書類は本人確認書類と収入証明書ですが、10万円程度であれば収入証明が不要な場合もあります。
●ネット銀行での借入れ
ネット銀行はWeb上で申込みから審査、契約までを完結できます。24時間対応しており、スピーディーに進められます。
すでに口座を持っていれば手続きがさらに簡単になり、審査結果が即日で通知されることもあります。金利は消費者金融と比べると低めで、比較的負担が軽いというメリットがあります。
即日融資を希望する場合は、申込みのタイミングに注意してください。また、ネット銀行によっては審査が厳しいところもあるため、事前に必要書類や審査条件を確認しておきましょう。
■カードローンを利用する際の注意点
カードローンを利用すると手軽に10万円を借りることができますが、利用には注意が必要です。
●30万円以上の年収が必要になることが多い
カードローンで10万円を借りる場合、審査では収入が重視されます。特に安定した収入があるかどうかが重視され、ある程度高くないと審査に通らないことがあります。
また、消費者金融など貸金業者から融資を受ける場合は、総量規制に注意しなければなりません。総量規制は利用者の年収の1/3以上の貸付を制限するもので、年収が30万円以上でなければ10万円を借りることはできません。
また、年収が基準を満たしていても、他の借入状況や信用情報によっては審査に通らない場合もあります。
■まとめ
10万円を借りる方法は、公的融資制度や金融機関のカードローンなど多岐にわたります。どの方法を選択するにしても審査や利息、返済計画を慎重に検討し、自分の状況に最も合うものを選びましょう。